飼鳥情報センター 

  資料1(専門書・標準サイズ・有害物質)

鳥関係の専門書はどのようなものがありますか?

一般向け「小鳥の飼い方」ではなく、専門的な栄養学や病気の知識を得たい場合、専門書を参照する必要があります。ただし飼鳥を対象とした専門書は非常に少ない現状です。日本で「獣医学」といえば「産業動物(牛やブタ、馬など)」や犬猫が中心で、飼鳥はごくわずかしか記載されていません。ただ「家禽(鶏やアヒル、鴨など)」についてはある程度記述がありますので、同じ鳥類ということで参考にはなると思います。なお、高価な本が多いので図書館で閲覧するのが良いでしょう。

カテゴリ 書 名 著 者 発行年 出版社
栄養学関係 ★家畜栄養学 McDonald.P,Edward.R.A他著 神立誠他監訳 1987 国立出版
* ★動物栄養学 寺島福秋 他著 奥村純市・田中桂一 編 1997 朝倉書店
* 家畜栄養学 小野寺良次、星野貞夫、板倉久雄他 1989 川島書店
* ★家畜栄養学(改著) 森本宏 1969 養賢堂
* ★家禽栄養学 スコット.M.L他著 田先威和夫監訳 1983 養賢堂
* ウオルサム小動物の臨床栄養学 竹内 啓 監修 1995 講談社
* 流通飼料便覧 1995 農水省畜産局流通飼料課 監修 1996 農林統計協会
* 飼料添加物の成分規格等収載書 亀岡宣一 著 農水省畜産局衛生課 監修 1995 日本科学飼料協会
* 日本標準飼料成分表 農水省農林水産技術会議 編 1995 中央畜産会
* ★四訂 食品成分表 香川綾 監修 1997 女子栄養大学
出版部
飼育一般 ★日本飼養標準・家禽 農水省農林水産技術会議事務局 編 1992 中央畜産会
飼鳥獣医学 ★愛玩鳥の医学 平井克哉 監修 1992 学窓社
* ★鳥類の内科および外科臨床 Mr&Mrs Harrison 著 伊東 登訳 1997 LLL. Seminar
* ★飼鳥の臨床指針 梶ヶ谷博・石森礼子 1994 インターズー
* 鳥の血液・細胞検査マニュアル 梶ヶ谷博 監訳 1994 インターズー
* ★The Parrots in Health and Illness Bonnie M Doane 著 1991 Howell Bool House
獣医学辞典 ★新獣医英和辞典 長谷川篤彦 著 1995 チクサン出版社
* 獣医英和大辞典 長谷川篤彦 著 1992 チクサン出版社
* 明解獣医学辞典 明解獣医学辞典編集委員会 編 1991 チクサン出版社
* ★獣医学大辞典 獣医学大辞典編集委員会 編 1989 チクサン出版社
* 獣医病理学用語集 日本獣医学会病理分科会用語編集委員会 1994 学窓社
* 動物病名辞典 波岡茂郎・伊沢久夫 編 1982 養賢堂
* 動物病院のための略語・用語集 東京都獣医師会 編 1991 学窓社
検査関係 獣医臨床検査 メーヤー.D.J 著 石田卓夫 監訳 1996 文永堂出版
* 小動物獣医師のための病理検査 竹内啓・浜名克己 訳 1986 文永堂出版
内科関係 新 獣医内科学 長谷川篤彦・内藤善久・本好茂一 他編 1996 文永堂出版
* 獣医内科学1〜4 エッチンジャー.S.J 編 臼井和哉 他訳 1981〜4 学窓社
外科関係 獣医外傷・管理 ザスロウ.I.M 編著 小池寿男 監訳 1987 学窓社
感染症関係 ★獣医伝染病学(第4版) 清水悠紀臣・鹿江雅光・田淵 清 他編 1995 近代出版
* 獣医微生物学 見上彪 編 1995 文永堂出版
* 新編 獣医微生物学 梁川 良 他著 1989 養賢堂
* 獣医ウイルス学(第5版) 清水武彦・田淵 清・原 元宣 著 1994 啓明出版
* 獣医真菌学(第5版) 田淵 清・池田輝雄 著 1992 啓明出版
* 獣医感染病学 東原 稔・原田良昭 著 1989 啓明出版
* 獣医細菌学(第5版) 田淵 清・木内明男 著 1988 啓明出版
* 獣医ウイルス学 モハンティー.S.B・ダッタ.S.K著 小西信一郎 1983 文永堂出版
* 訂正追補 獣医微生物学・免疫学 添川正夫 他著 1981 養賢堂
* 動物免疫学入門 和合治久 編著 1995 朝倉書店
* 動物疫学 小川益男 他編 1993 近代出版
消毒・防疫 感染予防と消毒剤ハンドブック 川名林治 編 1993 医薬ジャーナル社
* 滅菌・消毒ハンドブック 新 太喜治・永井 勲・鈴木朝勝 著 1993 メディカ出版
* 消毒剤の選び方と使用上の留意点 神谷 晃・尾家重治 著 1992 薬事時報社
* 滅菌と消毒 森 政和 著 1974 医歯薬出版
寄生虫関係 新版 獣医臨床寄生虫学(小動物) 石井俊雄・板垣 博・大石 勇 他編 1996 文永堂出版
その他 獣医公衆衛生学 小川益男・金城俊夫・丸山務 編 1995 文永堂出版
* 獣医毒性学 白須泰彦・吐山豊明 著 1995 養賢堂
* 獣医生理学 高橋道雄 訳 1994 文永堂出版
* 獣医免疫学 山内一也 著 1991 文永堂出版
* 野鳥の医学 クーパー.J.E他著 小川巌他訳 1994 どうぶつ社
* アニマルレスキュー教本・野鳥編 野生動物救護研究会編 1996 エコ・ネットワーク
* 改訂 獣医薬理学 柳谷岩雄・浦川紀元・大賀 皓 編 1994 文永堂出版
* 新版 獣医ハンドブック 中村良一・笹原二郎・酒井 保 他編著 1988 養賢堂
* 獣医病理学特論 山極三郎 著 1975 文永堂出版
* 獣医臨床薬物学 瀬崎貴三 著 1971 文永堂出版
* 動物用医薬品等製造指針 1996 農水省畜産局衛生課 監修 1996 日本動物薬事協会
* 動物用医薬品用具要覧 1996 畦地速見 編 1996 日本動物薬事協会
* 動物用抗生物質医薬品基準 - 1995 日本動物薬事協会
* 有毒・有害物質がわかる事典 吉岡安之 著 1996 日本実業出版社
* ★続 身のまわりの毒 Tu.A.T 著 1993 東京化学同人
* ★毒草100種の見分け方 中井将善 著 1988 金園社
* ★毒のある植物 難波恒雄・御影雅幸 著 1983 保育社
* ★ペットの法律全書 椿 寿夫・堀 龍児・吉田真澄 著 1997 雄斐閣

★印は当HP作成にあたり、特に参考とした書籍です。当HPはその性格上、事実および用語すべてには参考文献表記をしておりませんが、★印の書籍はもとより、その他の書籍にも教えられるところ大でした。諸先生方に感謝し、敬意を表します。

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鳥の標準サイズは?

A 「標準」というのは難しい表現で、個体差や環境、食生活などでかなり幅があります。また同じ種でも亜種によってかなりサイズが異なることもありまが、一応の目安を示します。成鳥の場合です。(「PARROTSINAVICULTURE」参照)

鳥種 標準体長(cm) 標準体重(g) 標準抱卵日数 標準巣立ち週数 標準寿命
ヒインコ 28 170 24 9〜10 25
ゴシキセイガイインコ 27 130 24 25
オトメズグロインコ 31 195 25 9〜10 25
ショウジョウインコ 30 200 26 10〜11 25
モモイロインコ 35 345 23 40
クルマサカオウム 38 400 25 40
コバタン 33 350 28 10〜12 40
キバタン 50 880 26 11 40
アオメキバタン 46 600 26 11 40
オオバタン 52 850 28 15 40
タイハクオウム 46 440 28 13〜15 40
オカメインコ 32 90 19〜20 18
オオハナインコ 31〜37 375〜550 28〜30 11 30
アカクサインコ 36 145 20 25
キクサインコ 33 125 20 25
ナナクサインコ 30 100 20 15
ビセイインコ 27 60 19 4.5 15
キキョウインコ 21 40 18〜19 4.5 12
ヨウム 33 400 28〜30 11〜12 50
ネズミガシラハネナガインコ 23 125 27 10 30
コザクラインコ 15 55 23 10
キエリクロボタンインコ 15 50 23 10
オオホンセイインコ 58 250 24 20
ワカケホンセイインコ 40 115 23〜24 15
ダルマインコ 33 110〜140 23〜24 20
スミレコンゴウインコ 100 1200〜1450 28 14 50
ルリコンゴウインコ 86 1000〜1200 24〜25 90〜100日 50
ベニコンゴウインコ 90 1200〜1400 27 100日 50
キエリヒメコンゴウインコ 40 250 24〜26 10 30
ヒメコンゴウインコ 49 360 24〜26 12 30
コミドリコンゴウインコ 31 165 24 20
トガリオインコ 36 165 23〜24 7〜8 15
コガネメキシコインコ 30 120 24〜25 7〜8 15
テツバシメキシコインコ 26 80 24 7〜8 15
クロガミインコ 31 140 24 15
オキナインコ 29 150 23〜24 6〜7 15
マメルリハインコ 13 33 18 4〜5 20
アケボノインコ 28 250 26 10 25
メキシコシロガシラインコ 24 180 26 25
キボウシインコ 31 270 26 40
アオボウシインコ 35 375〜450 28 8〜9 40
オオキボウシインコ 36〜38 500 26 40
キエリボウシインコ 35 480〜550 26 11 40
キソデボウシインコ 30〜33 360〜490 25 40
キガシラムジボウシインコ 38 540〜700 24〜27 9〜10 40
ヒオウギインコ 31 250 25〜26

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Q 身近な有毒物質は?

鳥が口にしたり触れたりしたときに、何らかの有毒作用をもたらすものは、身近に意外にあるものです。ここではその一部を紹介します。ただし有毒植物などは人間に対する毒性を基準にしていますので、必ず鳥にも有害であるかどうかはわかりませんが、避けるにこしたことはないでしょう。また過去から鳥に有毒と報告されているものを止まり木に使っても何ら問題がなかった、という報告もあるようですが、できれば「君子危きに近寄らず」だと思います。

有毒植物

名称 部位 毒成分 症状
園芸植物(草)
シクラメン 根茎 サポニン配糖体シクラミン 下痢・けいれん
フクジュソウ 全体 配糖体アドニン 嘔吐・下痢を経て死亡
オモト 全体 ロデキシン 運動機能マヒ・全身けいれんを経て死亡
ポトス 全体 粘膜・消化器系潰瘍・下痢
フィロデンドロン 全体 同上。サトイモ科はおおむね有毒
クリスマスローズ 全体 配糖体ヘレボリン、アルカロイド 心臓マヒで死亡
クレマチス(鉄仙) つる、汁 プロトアネモニン 接触によるかぶれ
アイビー(ヘデラツタ)
アサガオ 種子 ファルビチン 下痢を経て死亡
チョウセンアサガオ 全体 アルカロイド各種 精神異常を経て死亡。猛毒。
トウゴマ 葉・種子 アルカロイド他 嘔吐・下痢を経て死亡
ニオイスミレ、パンジー 種子・根茎 ビオリン 嘔吐・神経マヒ
オシロイバナ 全体 トリゴネリン 嘔吐・下痢
ニチニチソウ 全体 アルカロイド各種 全身マヒを経て死亡
スイセン 全体 リコリン 嘔吐・胃腸障害
ヒガンバナ 全体 アルカロイド 嘔吐・下痢・中枢神経マヒを経て死亡
スズラン 全体 コンバラトキシン他 心臓マヒにより死亡
チューリップ 球根・花・葉 アルカロイド 心臓毒
ヒヤシンス 球根・花・葉 アルカロイド 同上
アマリリス 球根・花・葉 アルカロイド 同上。球根植物はおおむね有毒
ハナキリン 全体 乳液によるかぶれ
ポインセチア 全体 アルカロイド 下痢・けいれんを経て死亡
ベゴニア 全体 シュウ酸 下痢。胃腸のびらんを経て急性死亡
ジャスミン 葉・花・蜜
園芸植物(木)
レンゲツツジ、シャクナゲ 全体 ロードトキシンなど けいれん・嘔吐・呼吸困難を経て死亡
アジサイ 葉・根 配糖体 下痢・呼吸異常
アセビ 花・葉 アンドロメドトキシン けいれん・嘔吐・呼吸困難を経て死亡
キョウチクトウ 全体 配糖体ネリオドレイン 下痢・嘔吐・心臓マヒで死亡。猛毒
ユズリハ 葉・樹皮 アルカロイド、ダフニマクリン 心臓マヒ・呼吸困難にて死亡
ナンテン 葉・樹皮・実 ナンディニン 中枢神経マヒ・呼吸困難
エニシダ 全体 スパルテイン 神経マヒ・呼吸困難にて死亡
エンジュ 葉・樹皮・実 ロビチン 胃腸炎・下痢・嘔吐
ニセアカシア 葉・樹皮・実 ロビチン 胃腸炎・下痢・嘔吐
ホオノキ 葉・樹皮 精油 筋肉マヒ
シキミ(シキビ) 葉・樹皮・実 アニサチン、イリチン 嘔吐・下痢・呼吸困難を経て死亡
イチイ 葉・種子 タキシン 筋肉けいれん・呼吸マヒ
ツゲ 葉・樹皮 アルカロイド マヒ
ヤツデ ファトシン 嘔吐・下痢・全身マヒ
トチノキ 葉・樹皮・実 サポニン 消化器炎症
イボタノキ、フジ類 全体 鳥には毒とされる
サクラ 葉・樹皮・仁 鳥には毒とされる
アメリカハナミズキ
野山の植物
オナモミ 全体 配糖体 胃肝臓の異常
ワレモコウ サポニン 消化器異常
キツネノボタン 全体 プロトアネモニン 下痢・嘔吐を経て死亡
ヨウシュヤマゴボウ 全体 アルカロイド、配糖体各種 嘔吐・下痢。呼吸マヒ
ノイバラ 果実 ムルチフロリン 呼吸マヒ
ドクウツギ 甘い果実 コリアミルチン 嘔吐・けいれんを経て死亡。猛毒
エゴノキ 種子 エゴサポニン 消化器異常、溶血作用
スギナ 全体 珪酸 消化器・泌尿器異常

有毒化学物質・重金属

名称 症状 投与経路
ニコチン 元気喪失・急性死亡 タバコの、煙、すいがら、本体の経口接取
ライゾール 皮膚の重い火傷症状 強力な消毒薬の残留物への接触
揮発性溶剤(シンナー等) 急性死亡 塗料スプレーや揮発物の開封状態での放置による吸引
アルコール 運動障害嘔吐・下痢 アルコール飲料の誤飲。飲ませるなど問題外
各種殺虫剤 けいれん・呼吸マヒ 鳥のいる部屋での噴霧。経口および皮膚吸収
ポリテトラフルオロエチレン 肺出血を経て死亡 テフロン加工のフライパンを加熱することにより発生したガスの吸引
植物油 呼吸器障害 加熱した油煙の吸引。加熱調理では必ず換気扇を!
食塩 多飲多尿・呼吸器不全 固形飼料3%、飲水0.5%以上の混入で中毒症状を示す
ニワトリでは体重1kgあたり3gが致死量
カカオ食品・アボカド 急性死亡 チョコレートやココア、アボカドは鳥にとって猛毒です
金属と反応した柑橘類 急性中毒症状各種 金属製の餌入れに柑橘類フルーツを入れて鳥が摂取
各種薬品 急性症状各種 放置された医薬品の誤食、経口接取
動物用医薬品 各種副作用 獣医師の誤診、投与者の錯誤。ないことを祈るのみ!
鉛、亜鉛 昏睡・中枢神経異常
等の慢性症状を経て
死亡
意外に接触、経口摂取の機会がある。骨董品(鉛製品)、釣用重り、
ステンドグラスの枠、ハンダ、ファスナー、電球の基部、雲母、骨粉、
ワイン瓶の金属箔、金属糸織物、鉛を含むペンキ、ペンキの剥離物、
水銀化合物の防腐剤使用の穀物、めっき製品
ケージやオモチャの鎖などに使われている亜鉛は、最近アメリカの獣医師や飼鳥家の間で特に問題となっているそうです。